初めて、自分の厄介な性癖に気が付いたのは、中学生の頃だった。
同性に触れられると、胸が高鳴る‥‥‥
最初は、思春期にある少年特有の心の揺らぎだろうと思っていた。

しかし、高校生になってからは 自分の嗜好が明らかに 周りからずれている事を確信した。
そして思った。

この事は、絶対に隠し通さなければいけないと‥‥‥







師父達と共に向かったのは、極東の島国
そして、バンドーランドでの捜査中に、我々が敬愛する師父に楯突いた 無礼な検事が現れた時‥‥‥


私はその人物に対して、殺したい程の怒りを覚えた‥‥‥


「おい、見えたか?」
師父の命令に従い 警察官達の拳銃を点検していたところ、同僚から声を掛けられた。
「何を?」
「さっき、師父とメイシコウカンした検事の顔だよ。」
先ほど、師父に楯突いた無礼なヤツか‥‥‥。あの師父に対する失礼な発言の数々は覚えているが‥‥‥
「いや。私は後ろにいたから、顔は見ていない。」
「そうか〜〜。残念だったな。見物(みもの)だったのによ。」
「見物?検事の顔が?」

そして、私は自分が予想だにしていなかった言葉を耳にする。



「あの検事の顔、お前にそっくりだったぜ。」




馬鹿な。極東の人間と私の顔が似ているだと?
しかも、師父にとって不倶戴天の敵(かたき)である検事と?
先程 師父に対して、無礼な発言の数々を浴びせ掛けた あの検事と?

私は強い憤りを覚えながら、拳銃の点検結果を報告する為に、師父の元へと向かった。

「困るんだよなァ、勝手に現場を荒らされちゃ。」
師父が、赤いスーツ姿の男と話している。何者だ?
「ミスター・ロウ。本当の犯行現場は、ステージエリアだったのだ。」
この声は、先程聞いた無礼な検事の声だ。

赤いスーツ姿の その検事を、遮る物の無いこの場で じっくりと観察してみる。
少し距離があるので ハッキリとは分からないが、確かに その検事と私の顔は雰囲気がとてもよく似ていた。

髪型は勿論違うが、私がもう少し髪を伸ばして、前髪を ヤツと同じようにすれば、もっとよく似ることだろう‥‥‥。
私は、捜査が終了して本国に帰ったら、髪をもっと短くしようと決意した。




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